ハラスメントの種類一覧表【2026年版】意味と対策を解説

2026年版ハラスメントの種類一覧表と意味・対策 職場の人間関係・ハラスメント

「〇〇ハラ」という言葉が増え、どこまでが法律上のハラスメントなのか分かりにくくなっています。大切なのは、名称の数を覚えることではありません。相手の人格や尊厳を傷つけ、働く環境や生活へどのような影響を与えているかを見ることです。

この記事では、2026年9月29日時点の公的情報をもとに、職場で重要なハラスメントの種類を一覧表で整理します。法律・指針で対策が求められるものと、一般に使われる通称を分けて解説します。

2026年の重要な変更
2026年10月1日から、カスタマーハラスメント対策と、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が事業主の義務になります。この記事は施行直前の2026年9月29日時点で整理しています。

ハラスメントとは?意味を簡単に解説

ハラスメントは、相手の意に反する言動によって尊厳を傷つけたり、不利益や苦痛を与えたりする行為を指す言葉です。ただし、すべての不快な言動が直ちに法律上のハラスメントへ該当するわけではありません。

判断するときの3つの視点
1.どのような言動があったか
2.立場や関係性、業務上の必要性はどうか
3.繰り返し、就業環境や心身へどのような影響が出たか

厚生労働省は職場のパワーハラスメントについて、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、③就業環境が害されること、の3要素をすべて満たすものと整理しています。適正な業務指示や指導は区別されます。詳しくは厚生労働省「あかるい職場応援団」を確認してください。

【2026年版】職場のハラスメント種類一覧表

種類主な意味・具体例位置づけ
パワーハラスメント優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えて就業環境を害する事業主に防止措置義務
セクシュアルハラスメント意に反する性的な言動で不利益を与える、または就業環境を害する事業主に防止措置義務
妊娠・出産等ハラスメント妊娠・出産、制度利用を理由とする不利益や嫌がらせ事業主に防止措置義務
育児・介護休業等ハラスメント育児・介護制度の利用に関する嫌がらせや不利益事業主に防止措置義務
カスタマーハラスメント顧客等の要求や言動のうち、社会通念上不相当で就業環境を害するもの2026年10月1日から対策義務
求職者等へのセクハラ採用面接、インターンシップ、就職活動中の性的な言動2026年10月1日から対策義務
SOGIハラスメント性的指向・性自認への侮辱、暴露、差別的言動パワハラ等に該当する場合がある
アウティング本人の同意なく性的指向・性自認を第三者へ明かす個の侵害等になり得る
モラルハラスメント無視、侮辱、人格否定など精神的な嫌がらせ通称。パワハラ等に該当する場合あり
不機嫌ハラスメントため息、舌打ち、無視などで周囲を萎縮させる通称。個別判断
ため息ハラスメント大きなため息を特定の人へ繰り返し、威圧や当てつけに使う通称。個別判断
アルコールハラスメント飲酒の強要、一気飲みのあおり、飲めない人への侮辱通称。暴行等の問題になり得る
ジェンダーハラスメント「男らしく」「女性だから」など性別役割を押しつける通称。セクハラ等に該当する場合あり
パタニティハラスメント男性の育児休業取得等への嫌がらせ育児休業等ハラスメントの文脈
ケアハラスメント介護休業や介護との両立に関する嫌がらせ介護休業等ハラスメントの文脈
リモートハラスメントオンライン会議で私生活へ過度に立ち入る、常時監視する通称。行為内容で判断
テクノロジーハラスメントITが苦手な人を侮辱する、過度に責める通称。精神的攻撃になり得る
エイジハラスメント年齢を理由に侮辱、排除、決めつけを行う通称。行為内容で判断
スメルハラスメント体臭や香料で周囲へ苦痛を与える、または臭いを理由に侮辱する通称。伝え方にも配慮が必要
ハラスメントハラスメント必要な指導まで安易に「ハラスメント」と決めつける通称。適正指導との区別が必要
「〇〇ハラ」という名称があるだけで違法と決まるわけではありません。反対に、一覧にない行為でも、暴行・脅迫・差別・プライバシー侵害など別の法的問題になる場合があります。

法律上とくに重要な5分野

1.パワーハラスメント

代表的な6類型は、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害です。ただし、この6類型だけに限定されるわけではありません。

2.セクシュアルハラスメント

性的な言動への対応によって不利益を受ける「対価型」と、性的な言動により職場環境が不快になる「環境型」があります。異性間に限らず起こり得ます。

3.妊娠・出産、育児・介護休業等に関するハラスメント

制度を利用したことへの嫌がらせだけでなく、解雇や降格など不利益な取り扱いが別途禁止される場合があります。制度の利用者を一方的に責めるのではなく、業務配分を組織で調整する必要があります。

4.カスタマーハラスメント

2026年10月1日から事業主の対策が義務化されます。すべての苦情がカスハラではなく、要求内容や手段・態様が社会通念上不相当か、労働者の就業環境を害するかなどで判断されます。最新情報は厚生労働省の改正法案内で確認できます。

5.求職者等へのセクシュアルハラスメント

採用面接、インターンシップ、OB・OG訪問などでの性的な言動が対象になります。こちらも2026年10月1日から事業主の対策が義務化されます。

ハラスメントか迷ったときの確認表

  • 特定の人に対して繰り返されているか
  • 立場の強さを利用して断りにくくしていないか
  • 業務上の必要性や相当性があるか
  • 人格否定、脅し、無視、過度な私生活への介入があるか
  • 出勤困難、体調不良、報告の萎縮など就業環境への影響があるか
  • 日時・場所・言動・同席者を具体的に説明できるか

一つ当てはまれば自動的に認定されるチェックリストではありません。相談時に事実を整理するために使ってください。

被害を受けたときの5ステップ

ハラスメント被害で安全確保から外部相談まで進む5ステップ
STEP行動ポイント
1安全を確保する危険があればその場を離れる
2事実を記録する日時・言葉・同席者・影響を書く
3証拠を保全するメール、チャット、業務記録を適切に保存
4社内へ相談する上司、人事、相談窓口を利用
5外部へ相談する労働局等の窓口や専門家を検討

社内で相談しにくい場合は、厚生労働省のあかるい職場応援団から相談窓口を確認できます。

職場で起こりやすい具体例はため息ハラスメントの対処法、お局との人間関係はお局に目をつけられたときの防衛術、会社全体の危険サインはブラック企業の特徴25選も参考にしてください。

注意と指導、ハラスメントの違い

仕事上の注意を受けて不快だったからといって、直ちにハラスメントになるとは限りません。一方で「指導」という名前なら何を言ってもよいわけでもありません。目的、内容、場所、言い方、回数を分けて考えます。

確認点適正な指導の例問題になりやすい例
目的ミスの修正と再発防止見せしめ、退職へ追い込む
内容具体的な行動を指摘人格や家族まで否定する
場所必要に応じて個別に話す皆の前で長時間責める
言い方改善点と期限を示す侮辱、脅し、差別的な言葉
程度ミスに見合った注意小さなミスへ過度な制裁

受け手の感じ方は大切ですが、それだけで最終判断するのではなく、第三者から見た業務上の必要性や相当性も確認されます。判断に迷うときは、言葉を丸めず実際の発言を記録してください。

相談時に使える記録テンプレート

日時・場所:9月30日10時、営業部会議室
相手・同席者:〇〇課長、Aさん、Bさん
具体的な言動:実際に言われた言葉をそのまま記載
前後の状況:どの業務や報告に対する言動だったか
業務への影響:報告中断、納期遅延、情報不足など
心身への影響:不眠、動悸、通院など
希望する対応:事実確認、指示系統変更、再発防止など

録音やデータの持ち出しには、就業規則、個人情報、営業秘密などの注意点もあります。収集方法に迷う場合は、労働局の相談窓口や法律の専門家へ確認してください。

よくある質問

ハラスメントは全部で何種類ありますか?

公的に固定された総数はありません。通称は新しく生まれるため、数よりも行為の内容と影響で判断することが大切です。

不快に感じたらすべてハラスメントですか?

不快感は相談のきっかけになりますが、法律上の判断は言動、関係性、業務上の必要性、就業環境への影響などを総合して行います。

上司以外からの言動もパワハラになりますか?

なり得ます。知識や人数などの関係から、抵抗しにくい同僚や部下の言動も「優越的な関係」を背景とする場合があります。

ため息や無視だけでも相談できますか?

相談できます。単独の行為だけで結論を出さず、繰り返し、対象、業務への影響を記録して伝えます。

まとめ|〇〇ハラの名前より事実を整理する

ハラスメントの種類は多く見えますが、対応の基本は共通しています。具体的な言動、関係性、業務上の必要性、繰り返し、心身や仕事への影響を分けて記録し、一人で抱え込まず相談してください。