「この会社、あと5年ちゃんと残っているんかな?」

うちの会社は5年後どうなっとるんだろ?
想像できる or 想像できない
俺が会社を見るうえで、かなり大事だと思うようになったのがこの感覚です。
給料が少し安いとか、上司とちょっと合わないとか、仕事が忙しいとか。それだけなら、どこの会社でも多少はあるでしょう。俺も昔なら「会社なんてそんなもんだ」と思って我慢していたと思います。
でも長く会社員をやっていると、単なる不満と、会社そのものが悪い方向へ進んでいるサインは別物だと分かってきます。
若い社員が入ってもすぐ辞める。残った社員だけが歳を取っていく。人手不足なのに採用できない。ハラスメントを注意するはずの上層部まで見て見ぬふりをする。そして、仕事のできる社員から会社を離れていく。
こういうことが一つではなく、いくつも重なり始めたら、俺は「そろそろ会社に見切りをつけることも考えた方がいい」と思っています。
この記事では、会社員として働いてきた俺自身が感じた「会社の辞め時を考え始める7つのサイン」について書いていきます。
すぐ会社を辞めろという話ではありません。
今いる会社だけを見ていると分からなくなる「会社の異常」を、一度外側から見るための記事です。
会社に見切りをつけるのは「嫌になった時」とは限らない
会社を辞めたいと思う瞬間なんて、働いていれば何度もあります。
嫌な上司に怒られた日、仕事で失敗した日、理不尽な仕事を押し付けられた日。「もう辞めたろかな」と思って、次の日には普通に出勤する。会社員なら一度くらい経験があるでしょう。
だから俺は、一時的に会社が嫌になったことと、会社に見切りをつけることは分けて考えた方がいいと思っています。
見切りをつけるというのは、
「今日が嫌だった」
ではなく、
「この会社に残り続けた先に、自分の未来があるのか?」
を考えることです。
そして俺自身、会社を見る時には「今」よりも「これからどうなるか」を見るようになりました。
今は何とか仕事が回っていても、若手が育っていない。定年退職者が控えている。採用しても人が残らない。経営者の後継者もよく分からない。
こういう状態なら、現在の売上だけを見て「会社は大丈夫」と判断するのは危ないと思っています。
会社に見切りをつけるタイミング7選
ここからは、俺自身が会社員として働く中で「これはかなり危ない状態だな」と感じるようになったサインを7つ紹介します。
1.若い人が入社しても辞め、社員の年齢だけが上がっていく
これはかなり分かりやすいサインだと思っています。
若い社員が入社する。
少しすると辞める。
また採用する。
また辞める。
これを何年も繰り返しているうちに、もともと働いていた社員だけが40代、50代、60代になっていきます。
俺が怖いと思うのは、社員の平均年齢が高いことそのものではありません。
40代でも50代でも優秀な社員はいくらでもいます。
問題なのは、次の世代が会社に定着していないことです。
新しい人が入ってこなければ、当然ながら会社の年齢構成はどんどん偏ります。その状態で定年退職が始まれば、数年後には一気に人が減ってしまう可能性があります。
しかも、残っている社員の中にも「今さら転職するのは不安だから」という理由で会社に残っている人が増えてくる。
そうなると、
「この会社が好きだから残っている」
ではなく、
「動くのが怖いから残っている」
会社になってしまいます。
これはかなり違う。
厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」でも、パワハラを経験した人の勤務先には、「従業員の年代に偏りがある」「人手が常に不足している」といった特徴が見られています。年代の偏りだけでブラック企業と決めつけることはできませんが、人材が循環しなくなっている会社を見る材料にはなると思います。
2.上層部同士がハラスメントを許容し始めた
俺が一番危険だと思うのは、ハラスメントをする人がいる会社ではありません。
ハラスメントを止める人がいなくなった会社です。
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どんな会社にも、性格のきつい人や口調の強い上司はいるでしょう。
普通の組織なら、行き過ぎれば誰かが止めます。
上司が部下へ暴言を吐けば、その上の上司が注意する。相談窓口に話が入れば会社として対応する。少なくとも「それはやり過ぎだ」という空気があります。
ところが、上層部がお互いのハラスメントを許容し始めると状況は変わります。
「あの人は昔からああいう人だから」
「悪気はないから」
「お前も気にしすぎだ」
そんな言葉で片付けられる。
そして注意されるのは、ハラスメントをした側ではなく、問題を訴えた社員だったりする。
ここまで来ると、俺は会社の自浄作用が壊れている状態だと思っています。
厚生労働省の令和5年度調査では、過去3年以内にパワーハラスメントを受けたと答えた労働者は19.3%でした。また、パワハラを経験した人の職場には「残業が多い・休暇を取りづらい」「人手が常に不足している」「上司と部下のコミュニケーションが少ない」などの特徴も見られています。
厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」
全国の20〜64歳の労働者8,000人などを対象に実施された調査で、過去3年以内にパワハラを経験した労働者は19.3%でした。また、パワハラ経験者の勤務先では「残業が多い・休暇を取りづらい」「従業員の年代に偏りがある」「人手が常に不足している」などの特徴が示されています。
つまり、ハラスメントは単に「嫌な上司が一人いる」という話ではなく、会社の組織状態とセットになっている場合があるということです。
これは結構大事だと思います。
3.上層部を崇拝しない社員が敵扱いされる
これも俺が危険だと思う会社の特徴です。
社長や役員、部長など上層部に敬意を払うこと自体は何もおかしくありません。
問題なのは、
「上司を立てる」
から、
「上司を崇拝しなければならない」
に変わった時です。
上層部の言うことに疑問を持ってはいけない。飲み会では持ち上げる。何を言われても笑って受け流す。正論でも反論すると「生意気な奴」と扱われる。
逆に、上層部に気に入られている社員なら多少の問題行動も許される。
ここまで来ると、仕事の能力とは別のゲームが始まっています。
「仕事で成果を出すゲーム」ではなく、
「権力者から嫌われないゲーム」です。
俺は、こういう会社になると真面目な人ほどしんどくなると思っています。
理不尽なことに対して「それは違うんじゃないですか」と普通に説明しただけなのに、それを反抗と受け取られる。そして、一度「こいつは俺を崇拝していない」と認定されると、ハラスメントのターゲットになっていく。
会社は宗教ではありません。
上司は仕事上の役職であって、崇拝する対象ではないんです。
そこを会社全体が勘違いし始めたら、かなり危険なサインだと思います。
4.人手不足を残った社員の激務で埋め始める
人手不足そのものは、今の時代どこの会社でも起こり得ます。
俺が問題だと思うのは、その解決方法です。
人が足りない。
↓
残った社員へ仕事を振る。
↓
残業や休日出勤で何とかする。
↓
何とか仕事が回る。
↓
「じゃあこの人数でもいけるな」となる。
これ、最悪の流れです。
特に危険なのが、社員間で仕事量の差が露骨になっている会社。
仕事ができる人、断らない人、真面目な人へ仕事が集中し、一方では比較的余裕のある社員がいる。
それでも会社は業務量を調整しない。
こうなると人手不足というより、人員配置とマネジメントの問題です。
厚生労働省の調査でも、パワハラを経験した人が勤務する職場の特徴として「人手が常に不足している」「残業が多い/休暇を取りづらい」が挙げられています。俺が経験から感じていた「人手不足・激務・ハラスメントが同時に起きやすい会社」という感覚は、まったく無関係な話ではなさそうです。
休日まで仕事のことを考え、いつ呼び出されるか分からない。
それが数週間の繁忙期ならまだしも、半年、一年と続いているなら「一時的な人手不足」と考えない方がいいと思います。
人手不足が通常運転になった時点で、それは会社の仕組みです。
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5.5年後の会社を想像できなくなった
40代になってから、俺は会社を見る時に「5年後」をかなり考えるようになりました。
若い頃なら、
「今の給料はいくらか」
「仕事が面白いか」
くらいでも良かった。
でも40代、50代になると違います。
社長はいくつなのか。
後継者はいるのか。
50代後半、60代の社員が退職した後、その仕事を誰がするのか。
若手社員は育っているのか。
採用できているのか。
そのあたりを見る必要があります。
例えば、数年後に社長が引退する。
同時期にベテラン社員が何人も定年になる。
ところが若手は採用しても定着していない。
中堅社員も少ない。
そんな状況なのに会社から将来について何の説明もない。
俺なら赤信号だと思います。
厚生労働省の2024年「雇用動向調査」では、男性の転職入職者が前職を辞めた理由のうち、「その他の個人的理由」を除いて前年差の上昇幅が最も大きかったのが「会社の将来が不安だった」+2.2ポイントでした。会社の将来性を理由に転職を考えること自体は、決して特殊な考えではありません。
厚生労働省「令和6年 雇用動向調査」
2024年の転職入職者について、女性では「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が12.8%、「職場の人間関係が好ましくなかった」が11.7%。男性では「会社の将来が不安だった」が前年から2.2ポイント上昇し、「その他の個人的理由」を除けば最も上昇幅が大きくなっています。
売上が今あるから大丈夫。
昔から続いている会社だから大丈夫。
俺は、この二つをあまり信用しなくなりました。
見るべきなのは、
「今まで続いてきたか」ではなく「これから続けられる構造になっているか」
です。
6.仕事のできる社員から辞め始める
これは会社の未来を見るうえで、かなり重要だと思っています。
会社が悪くなってくると、なぜか仕事のできる人から辞めていくことがあります。
考えてみれば当然です。
経験がある。
取引先から評価されている。
専門知識がある。
他社でも通用する。
そういう人ほど「ここにずっといる必要はない」と判断できます。
逆に会社側が、
「辞めても誰か補充すればいい」
くらいに考えていると危ない。
有能な社員が辞める。
残った社員へ仕事が移る。
負担が増える。
さらに別の社員が辞める。
また負担が増える。
こうして会社が少しずつ弱っていくことがあります。
俺は一人辞めただけなら気にしません。
転職理由なんて人それぞれですから。
でも、会社の中心だった人、若手の有望株、仕事のできる中堅社員が次々と辞めていくなら、その理由は考えた方がいい。
社員は会社の内部情報を一番よく知っています。
その人たちが次々と外へ出ていくなら、売上数字にはまだ出ていない何かを感じ取っている可能性があります。
7.「会社に残りたい」ではなく「転職が怖いから残る」になった
最後は会社ではなく、自分自身のサインです。
俺はこれが一番重要かもしれないと思っています。
「今の仕事が好きだから残りたい」
「仲間と働きたい」
「この会社ならまだ成長できる」
「待遇に満足している」
こういう理由なら、残る意味があります。
でも、
「40代だから転職できないかもしれない」
「今より給料が下がったら怖い」
「面倒だからこのままでいい」
「もう今さら仕方ない」
という理由だけになったら、一度考え直した方がいい。
会社を辞める必要はありません。
ただ、「残る」と「動けない」はまったく違います。
俺自身、実際に外へ出てみることで初めて分かったことがあります。
一つの会社に長くいると、その会社のルール、その会社の人間関係、その会社の働き方が「世の中の普通」に見えてきます。
でも外へ出ると、
「え?これくらいでいいんだ」
と思うこともある。
会社に見切りをつけるというのは、勢いで退職届を書くことではありません。
いつでも外を選べる状態を作ることから始まると俺は思っています。
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危険なのは「1つのサイン」ではなく複数が重なった時
ここは誤解してほしくありません。
若い社員が辞めたからブラック企業。
残業があるから辞めるべき。
社長がワンマンだから終わり。
そんな単純な話ではありません。
会社には良い時期も悪い時期もあります。
大切なのは、複数の問題が同時に起き、それが何年も改善されていないかどうかです。

| まだ改善できる会社 | 見切りを考えたい会社 |
|---|---|
| 退職者が出たら原因を調べる | 辞めた社員を悪者にする |
| 人手不足なら採用・業務改善する | 残った社員へ仕事を押し付ける |
| ハラスメントを上層部が止める | 上層部同士で黙認する |
| 若手を採用し育てる | 採用しても定着しない |
| 将来の人員計画がある | 数年後の体制が見えない |
| 意見を言える | 上層部への忠誠を求める |
一番怖いのは、これらの状態に社員自身が慣れてしまうことです。
「うちの会社では普通だから」
この言葉が出始めたら、一回疑ってみた方がいい。
その会社の常識と、世の中の常識は同じとは限りません。
※1項目だけ当てはまるからといって、会社を辞める必要はありません。複数の問題が長期間改善されていないかを見ることが重要です。
会社に見切りをつける前にやっておきたいこと
ここまで読んで「かなり当てはまるな」と感じても、俺は明日いきなり退職する必要はないと思います。
むしろ、辞めるか残るかを冷静に判断するために準備した方がいい。
まず転職市場を見てみる
転職活動を始めることと、会社を辞めることは別です。
求人を見る。
自分の経験で応募できる会社を調べる。
年収相場を見る。
同業他社ではどんな働き方をしているのか調べる。
これだけでも十分意味があります。
特に長く同じ会社にいる人ほど、自分の市場価値を実際より低く見積もっていることがあります。
俺は「辞めてから考える」より、
「いつでも辞められる状態を作ってから考える」
方がいいと思っています。
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会社が改善する可能性も冷静に見る
一時的な人手不足なら半年後には改善するかもしれません。
経営者が問題を認識して採用を増やしているなら、まだ変化する可能性もあります。
逆に、社員が何度訴えても、
「お前らが頑張ればいい」
「昔はもっと働いた」
で終わるなら、期待だけで何年も待つのは考えものです。
大事なのは言葉より行動です。
会社が何を言っているかではなく、実際に採用したか、業務を減らしたか、問題のある上司を注意したかを見る。
これくらい冷静に見た方がいいと思います。
あなたの会社は大丈夫?辞め時を考えるチェックリスト
今の会社について、次の項目をチェックしてみてください。
- □ 若い社員を採用しても数年以内に辞めてしまう
- □ 40代〜60代へ社員の年齢構成が大きく偏っている
- □ ハラスメントを上層部が注意しなくなっている
- □ 上司や経営者へ異論を言うと敵扱いされる
- □ 人手不足が半年以上続いている
- □ 一部の社員へ仕事や休日対応が集中している
- □ 5年後の経営者・人員構成を想像できない
- □ 仕事のできる社員が続けて退職している
- □ 自分が会社に残る理由が「転職が怖い」しかない
1〜2個なら、どこの会社にも多少はあるかもしれません。
でも4個、5個、6個と重なっているなら、一度会社の外を見てみてもいいと思います。
特に、
「人が辞める」「人が入らない」「ハラスメントを止めない」「残った人へ仕事を集中させる」
が同時に起きている会社は注意した方がいい。
そこで働いている期間が長いほど、それが普通に見えてしまいます。
複数当てはまったからといって、今すぐ会社を辞める必要はありません。
ただし、その会社だけの常識を世の中の常識だと思わないこと。
これは本当に大事です。
会社に見切りをつけることは「逃げること」ではない
昔の俺なら、会社を辞めることに対してもっと重く考えていたと思います。
長く勤めることは偉い。
途中で辞めたら負け。
多少理不尽でも我慢するのが会社員。
そんな感覚がどこかにありました。
でも今は違います。
会社が社員を選ぶように、社員だって会社を選んでいい。
しかも30代、40代、50代になれば、残りの会社員人生は無限ではありません。
例えば45歳なら、60歳まで15年。
「そのうち会社が良くなるかもしれない」と5年待ったら、残り10年です。
時間は戻ってきません。
だから俺は、会社に見切りをつけるというのは会社を裏切ることではなく、自分の人生の残り時間をどこへ使うか決めることだと思うようになりました。
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まとめ|会社の未来より先に、自分の未来を考えていい
俺が会社員生活の中で一番怖いと思うようになったのは、ブラック企業そのものではありません。
おかしな環境に長くいることで、おかしいことをおかしいと思えなくなることです。
若手が辞め続ける。
残った社員だけ歳を取る。
ハラスメントを上層部が黙認する。
人手不足を根性で乗り切る。
有能な社員が辞める。
5年後が見えない。
それでも毎日会社へ行っていると、不思議と慣れてしまいます。
だから、ときどき自分に聞いてみてほしい。
「俺はこの会社に残りたいのか。それとも、辞めるのが怖いから残っているだけなのか?」
その答えが後者なら、一度外を見てみればいい。
転職サイトを見るだけでもいい。
求人を見るだけでもいい。
別の会社で働いている人の話を聞くだけでもいい。
すぐ辞めなくていいんです。
でも、自分の人生の選択肢まで会社へ預ける必要はありません。
会社はあなたの人生の一部分です。
会社があなたの人生そのものではありません。
最後にどこで働くかを決めるのは会社でも上司でもない。
あんた自身だでね。
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