「40代で、給与や人間関係を理由に転職してもよいのだろうか」。長く勤めた会社ほど、不満があっても年齢や家族への影響を考えて迷うものです。
40代の転職理由ランキングでは、給与への不満が1位。社内の雰囲気や会社の将来性も上位に入ります。ただし、順位は転職すべきかを決める基準ではありません。
この記事では、2026年9月に確認した調査データと、20年以上の会社員・BtoB営業経験を経て40代で転職した私の実体験を紹介します。本音の整理から面接例文、転職先で同じ不満を繰り返さないための確認方法までまとめました。
- 40代の転職理由TOP10と、調査を読む際の注意点
- 給与・人間関係・将来性の不満を整理する方法
- 本音を偽らずに伝える面接例文と、応募先への質問
40代の転職理由ランキングTOP10【2026年確認】
以下は、転職サービスdodaの調査における40代の回答です。2025年8月実施、掲載ページは2026年2月16日更新。当サイト独自のアンケートではありません。
| 順位 | 転職理由(要約) | 回答割合 |
|---|---|---|
| 1 | 給与・昇給への不満 | 39.6% |
| 2 | 社内の雰囲気への不満 | 32.1% |
| 3 | 尊敬できる人の不在 | 28.4% |
| 4 | 業界や会社の先行きへの不安 | 26.5% |
| 5 | 昇進やキャリア形成の行き詰まり | 26.4% |
| 6 | 人間関係の悪化 | 26.1% |
| 7 | 会社の評価方法への不満 | 25.9% |
| 8 | 社員育成の環境不足 | 23.3% |
| 9 | 心身の負担 | 23.2% |
| 10 | 残業・休日出勤など労働時間への不満 | 20.7% |
出典:転職サービスdoda「転職理由ランキング【最新版】 みんなの本音を調査!」。項目名は意味を変えずに要約しています。
対象は2024年7月~2025年6月に転職した20~59歳の正社員男女。2025年8月1~8日のインターネット調査で、有効回答978件は全世代合計です。40代だけの回答人数は公開ページに記載されていません。複数回答・地域や年代、性別に合わせたウエイトバック集計であり、割合の合計は100%になりません。
給与のほか、職場環境、評価、将来性まで幅広い理由が挙がっています。ただし、この集計だけで「どの不満がどれくらい重なったか」までは分かりません。ここからは各項目を、自分の職場を点検する視点で見ていきます。
1位|給与・昇給への不満
今の給与額と、これから上がる見込みは分けて考えたいところです。仕事内容や責任が増えても待遇が変わらないなら、「何を達成すれば、いつ評価されるのか」を確認する必要があります。
転職先では提示年収だけでなく、基本給、固定残業代の有無、賞与の算定条件まで比較しましょう。残業や不確定な賞与を前提にした金額では、期待した収入とずれることがあります。
2位|社内の雰囲気への不満
怒鳴り声が日常になり、上司を怒らせないことが仕事の中心になる。私も経験しましたが、この状態では顧客や業務より、社内の顔色に気力を使ってしまいます。
応募先では、面接担当者だけでなく社員同士の話し方や、質問への答え方も観察します。短時間の面接だけで社風は断定できませんが、働く部署の人と話す機会があれば判断材料が増えます。
3位|尊敬できる人の不在
完璧な上司がいないことと、責任を取る人がいないことは別です。後輩を守らず、成果だけを自分の手柄にする人が評価されるなら、自分の数年後にも不安を感じるでしょう。
見るべきなのは好きな上司の有無だけでなく、どのような行動が社内で評価されているかです。異動で変わる問題か、会社全体の体質かを分けます。
4位|業界や会社の先行きへの不安
私が40代で転職を考えたときも、会社の将来性は大きな判断材料でした。「今月は忙しいから大丈夫」ではなく、数年先も仕事や顧客が残るのかを考えるようになったからです。
一時的な業績悪化だけで結論を出さず、人材の補充、設備や事業への投資、主力顧客への依存などを確認します。会社の説明と、実際の行動が一致しているかも大切です。
5位|昇進やキャリア形成の行き詰まり
役職が上がらなくても、専門性を高めたり、担当領域を広げたりする道はあります。まずは「管理職になりたい」のか「現場の専門職として評価されたい」のかを整理しましょう。
次の会社では、肩書だけでなく任される仕事と権限を確認します。名称が立派でも、求めている経験が積めるとは限りません。
6位|人間関係の悪化
相性の合わない人がいることと、会社が問題行動を放置することは違います。相談しても上層部がかばい合う職場では、本人同士で解決するよう求められても限界があります。
私の経験でも、問題のある人の存在以上に、会社がその人をどう扱うかが重要でした。職場全体の特徴は、会社がおかしいと感じたときの判断と対処法も参考にしてください。
7位|会社の評価方法への不満
売上だけを評価するのか、利益や顧客の継続も見るのか。BtoB営業でも、評価する対象が変われば日々の行動が変わります。基準が分からないまま努力を続けるのはつらいものです。
応募先では「入社半年後に期待される成果は何ですか」と聞くと、役割を具体化できます。実績と給与・昇格がどう結び付くかも確認しましょう。
8位|社員育成の環境不足
40代でも、商品や社内システムが変われば学ぶ必要があります。「経験者だから説明不要」とされる環境では、持っている経験を発揮するまでに余計な遠回りが生じます。
自分の研修だけでなく、若手への引き継ぎや業務の共有が進んでいるかも見たいところです。特定のベテランしか分からない仕事が多い会社では、負担が偏りやすくなります。
9位|心身の負担
疲れが休日だけでは取れず、仕事以外の時間も気持ちが休まらない。そうした負担は、給与の比較だけで片付けられるものではありません。
体調への影響があるときは、一人で退職の結論を急がず、休養や医療機関、相談窓口の利用も選択肢に入れてください。転職活動を続けられる状態かどうかを先に考えます。
10位|残業・休日出勤など労働時間への不満
残業の長さに加えて、休日も連絡に備えなければならない働き方は、生活を圧迫します。制度上の休日数だけでは、実際に休めるかは分かりません。
次の職場では配属予定部署の残業、繁忙期、休日対応の頻度と分担を聞きましょう。全社平均と、自分が担当する仕事の実態を分けて確認することが大切です。
40代の転職理由は「給与・環境・将来性」で整理する

ランキングを読んで、いくつも当てはまると感じる方もいるでしょう。私自身、給料だけを理由に転職を決めたわけではありません。長く勤めるうちに「ここであと10年、20年働いた先に何が残るのか」を考えるようになりました。
| 整理する軸 | 自分に聞いてみること | 次の職場で確認すること |
|---|---|---|
| 給与・評価 | 何に対する評価や報酬が足りないのか | 給与の内訳、評価基準、昇格の条件 |
| 職場環境・人間関係 | 特定の人の問題か、組織全体の問題か | 配属先の協力体制、相談先、上司の役割 |
| 会社・キャリアの将来性 | 数年後も働き続けたいと思えるか | 事業の方向性、任される仕事、育成体制 |
「今の会社から離れたい」だけでは、応募先でも同じ問題に出会う可能性があります。まずは譲れない条件を3つに絞り、それ以外は比較できるようにしておきましょう。
40代では「転職するリスク」と「残るリスク」を比べる
家庭の事情や働き方の希望は人それぞれですが、40代では収入、勤務地、これまでの経験の使い道をまとめて考える場面が増えます。年齢だけを理由に諦めることも、年齢への焦りだけで退職を急ぐことも避けたいところです。
| 選択 | 得られる可能性があるもの | 確認したいリスク |
|---|---|---|
| 今の会社に残る | 慣れた仕事、人間関係、現在の待遇の継続 | 不満が改善しないこと、経験や事業の先行き |
| 別の会社に移る | 経験の再評価、環境や働き方の改善 | 条件の食い違い、仕事と人間関係の覚え直し |
| 在職中に比較する | 収入を得ながら選択肢を確かめられる | 活動時間の確保、疲労や予定の管理 |
不満が異動や業務調整で改善するなら、残る選択にも意味があります。一方、会社全体の体質や事業の問題なら、個人の努力で変えられる範囲には限りがあります。判断の整理には、40代の転職タイミングと定年までを見据えた判断基準も役立ちます。
私が40代で転職を決めた本音と、経験が評価されたこと
私も最初は、転職して失うものばかり考えました。収入が変わる不安、新しい仕事を覚える負担、人間関係の作り直し。長く会社員を続けてきたからこそ、一から始める怖さがありました。
それでも、会社の将来性、昇給やキャリアの見通し、働く環境を考えると、残り続けることにも不安がありました。私が比べたのは「今より楽そうか」だけではなく、経験を活かしながら、定年まで働ける環境かどうかです。
- これまでの業界知識や顧客対応を活かせるか
- 40代・50代の中途社員も働いているか
- 会社や事業の先行きに納得できるか
- 給与、評価、仕事内容、働き方を総合して判断できるか
実際に転職すると、自分では当たり前と思っていた経験を評価してくれる会社がありました。同業界で積み上げた知識や顧客対応を活かすことができ、私の場合は職場環境だけでなく収入面も改善しました。
もちろん、これは私個人の結果です。同業界なら必ず成功するわけではありませんが、「自分に新しい強みはない」と決めつける前に、これまで解決してきた仕事を振り返る価値はあります。転職後の変化は、40代で転職してよかったと感じた5つのことにまとめています。
40代の転職理由を面接で伝える例文
本音を隠して立派な理由を作る必要はありません。伝える順番を「経験した事実→変えたいこと→応募先を選んだ根拠→貢献できること」にすると、不満だけで終わらずに説明できます。

給与や評価が理由の場合
給与を上げたいという希望そのものを否定する必要はありません。ただし、どのような仕事を担えるのかも一緒に説明します。応募先の評価制度を確認していない段階で「御社なら公平に評価される」と断定しないことも大切です。
人間関係や職場環境が理由の場合
相談や改善提案を行った経験があれば、その事実も短く添えます。行っていないことを付け加える必要はありません。ハラスメントなどを説明する場合も、人物への評価より、何が起きて仕事にどう影響したかを落ち着いて伝えます。
会社の将来性や働き方が理由の場合
| 本音 | 面接で説明する方向 | 応募先に確認する質問 |
|---|---|---|
| 会社の先行きが不安 | 今後も活かしたい経験と、関心を持った事業を結び付ける | この部署が今後重点を置く顧客や事業は何ですか |
| 残業や休日対応が続く | 長く成果を出すために見直したい働き方を伝える | 繁忙期や休日対応は、どのように分担していますか |
| 成長する機会がない | 身に付けたい経験と、その仕事に取り組める理由を伝える | 入社後に担当する業務と、引き継ぎの流れを教えてください |
「安定していそう」「雰囲気がよさそう」だけでは、志望動機が曖昧になります。求人票や企業の公開情報を読み、分からないことを面接で確かめる姿勢が、入社後の食い違いを減らします。
転職先で同じ不満を繰り返さないための確認表
転職理由が整理できたら、応募先でその問題が改善しそうかを確かめます。「今の会社よりよさそう」という印象だけで決めず、確認できた事実と、まだ分からない点を分けて記録しましょう。
| 確認項目 | 具体的に見る・聞く内容 |
|---|---|
| 給与の条件 | 基本給、賞与、手当、固定残業代、試用期間中の条件 |
| 配属と仕事 | 配属先、担当顧客、目標、権限、入社後の引き継ぎ |
| 評価と将来 | 評価する人と基準、昇格条件、事業の方向性 |
| 働き方 | 配属先の残業、繁忙期、休日対応、転勤・出張 |
| 家族や生活への影響 | 通勤、帰宅時間、休日、収入変化を家族と共有できるか |
| 自分の判断軸 | 譲れない条件を満たすか。不明点を楽観で埋めていないか |
面接で聞いた内容と、入社前に提示される労働条件に違いがないかも確認します。家族との相談は、賛成か反対かを迫るより、変わる条件を並べて話す方が具体的です。40代の転職で家族と共有したい条件も参考にしてください。
働き続けられる状態なら、まず在職中に求人や条件を比較できます。比較して今の会社に残る判断もできます。進め方は働きながら転職活動を進める準備7選で整理しています。
40代の転職理由でよくある質問
40代で人間関係を理由に転職するのは甘えですか?
理由だけで甘えとは言えません。特定の人との相性か、会社が問題を放置しているのかで状況が変わります。自分がどこで困り、改善の余地があるかを整理して判断しましょう。
40代で転職する人はいますか?
います。厚生労働省の2025年雇用動向調査でも、40~44歳、45~49歳の転職入職者が集計されています。ただし、転職する人がいることと、自分の希望条件で採用されることは別です。年齢だけで判断せず、経験と募集内容の接点を確認してください。
転職すると給与は下がりますか?
必ず下がるわけではありません。厚生労働省の2025年雇用動向調査では、前職より賃金が増えた割合は40~44歳で44.9%、45~49歳で41.1%。減った割合はそれぞれ27.4%、30.1%でした。
出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査・転職入職者の状況」表6(PDF)。これは調査対象者の賃金変化で、個人の採用確率や賞与込み年収の増減を示すものではありません。
面接では本当の転職理由を話してよいですか?
事実を伝えて構いません。前職への不満を長く話すより、仕事への影響、変えたい条件、応募先で活かせる経験の順で説明します。実績や改善のための行動を作り話で補わないようにしましょう。
転職理由が複数ある場合、全部話すべきですか?
最も大きな理由を一つ軸にして、必要な理由を補足すると伝わりやすくなります。理由を一つに絞るために嘘をつく必要はありません。自分の希望と応募先の仕事がどうつながるかを優先して説明してください。
まとめ|40代の転職理由を次の職場の選び方につなげる
40代の転職理由は、給与だけでなく、職場の雰囲気、評価、会社の将来性などさまざまです。ランキングは自分の悩みを整理する材料として使い、順位だけで退職を決めないことが大切です。
- 不満を「給与・評価」「職場環境」「将来性」の3つの軸で整理する
- 残る場合と転職する場合の両方を比較する
- 面接では事実と希望、活かせる経験をつなげる
- 次の会社で同じ不満が起きないか、条件と働く実態を確認する
私にとって40代の転職は、長く続けてきた仕事の経験を見直す機会にもなりました。まずは「今の会社で変えたいこと」と「次の会社に確認したいこと」を一つずつ書き出してみてください。そこからなら、退職を急がずに動き始められます。
データ確認日:2026年9月27日。ランキングと筆者の経験・考察は区別して掲載しています。



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