「この会社、なんかおかしくないか?」
働いていると、ふとそんなことを感じる瞬間があります。
でも不思議なもので、同じ会社に長くいるほど、その違和感を自分で打ち消すようになるんですよね。「会社なんてこんなもんだろ」「社会人なんだから我慢しないと」「どこへ行っても嫌な上司くらいいる」。俺自身、長く会社員をやってきて、そう考えていた時期がありました。
ところが、実際に環境を変えて外から見てみると、「いや、あれは普通じゃなかったな」と気づくことがあります。
怒鳴り声が日常的に飛び交う。上層部同士がハラスメントをかばい合う。有給休暇は書類上取っているのに実際には休めない。特定の社員ばかり仕事を抱えている。
一つだけなら会社の一時的な問題かもしれません。しかし、こうした違和感がいくつも重なっているなら、一度「うちの会社だけの常識ではないか?」と考えてみた方がいいと思っています。
この記事では、俺自身が会社員として働く中で「これはおかしい」と感じた職場の特徴と、今の会社を客観的に見るための考え方について書いていきます。
「会社がおかしい」という感覚は意外と大事
会社がおかしいと感じても、多くの人は最初に会社ではなく自分を疑います。
「俺が気にしすぎなのかな」
「これくらい我慢できないと、どこへ行っても通用しないのかな」
特に30代、40代、50代と会社員生活が長くなってくると、簡単に会社を辞めるわけにもいきません。住宅ローンや家族の生活、年齢、転職への不安もあるでしょう。
だから我慢する。それ自体が悪いとは思いません。
ただ、俺が怖いと思うのは、我慢しているうちに「異常な環境」を「普通の会社」だと思うようになることです。
会社にはそれぞれ独自の文化があります。しかし、「うちでは昔からこうだから」という言葉で何でも正当化されるようになったら、一度立ち止まって考えた方がいい。
会社の常識と、世の中の常識は同じとは限りません。
俺が「普通ではない」と感じた職場の特徴5選
1.怒鳴り声や怒号が当たり前になっている
俺が一番わかりやすい異常だと思うのが、怒鳴り声や怒号が日常化している職場です。
上司や社長が怒ること自体を問題にしているわけではありません。仕事をしていれば注意されることもあるし、重大なミスなら厳しく指導されることもあります。
問題は、社員が仕事の内容より、
「今日は機嫌が悪そうだな」
「これを言ったら怒るかな」
「とにかく社長を怒らせないようにしよう」
と考えながら仕事をする状態です。
俺もこういう環境を経験してきましたが、これが続くと社員の判断基準が「仕事として正しいか」ではなく、「権力のある人を怒らせないか」に変わっていきます。
それでは健全な組織とは言いにくいと思うんです。
良い上司なら、間違いを指摘するときも「何が問題だったのか」「次はどうするのか」を話します。怒鳴って相手を萎縮させる必要はありません。
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2.女性のお局だけでなく「男性版お局」がいる
職場のお局というと、ベテラン女性をイメージする人が多いかもしれません。
でも俺は、男性にも同じようなポジションの人はいると思っています。
役職以上に社内で影響力を持ち、誰と誰が仲がいいのかを把握し、上層部との距離の近さによって周囲への影響力を強める。正式な組織図とは別に、「この人には逆らわない方がいい」という人物が存在する会社です。
もちろん、ベテラン社員が頼られているだけなら何も問題ありません。
危ないのは、仕事の能力ではなく、人間関係や権力者との近さによって発言力が決まる状態です。
俺は女性のお局も男性版お局も、本質的には同じだと思っています。
会社の正式なルールとは別に「裏の権力構造」ができている。
これが問題なんです。
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3.上層部がかばい合い、ハラスメントを止められない
俺が会社を見るうえでかなり重要だと思っているのが、問題人物がいるかどうかではなく、問題が起きたとき会社がどう対応するかです。
どんな会社にも、性格のきつい人はいるでしょう。しかし普通の組織なら、度を越せば上司や人事などが止める仕組みがあります。
ところが、上層部同士がかばい始めると話が変わります。
「あの人は昔からああだから」
「悪気はない」
「お前も気にしすぎだ」
こうしてハラスメントそのものではなく、訴えた社員の方が面倒な人のように扱われる会社があります。
ここまで来ると、俺は個人の問題ではなく「組織の自浄作用」の問題だと思っています。
厚生労働省の令和5年度「職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去3年以内にパワーハラスメントを受けた経験があると回答した労働者は19.3%でした。また、事業主には職場のパワーハラスメント防止措置が求められています。大切なのは、「ハラスメントをする人が一人もいない会社」ではなく、問題が起きたときに放置・隠蔽しない会社かどうかです。
厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」
令和5年度調査では、過去3年間にパワーハラスメントを経験した労働者は19.3%。体験談だけになりすぎず、問題が社会的にも存在することを示せます。
厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」
事業主にパワーハラスメント防止措置が求められていること。
4.有給休暇を申請しているのに実際には休めない
これも俺がかなりおかしいと思ったことの一つです。
年間5日分の有給休暇について申請上は取得している。しかし、人によってはその日も実際には仕事をしていて、まともに休めていない。
「申請したからOK」という話ではないと思うんです。
厚生労働省は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、使用者が毎年5日間の年次有給休暇を確実に取得させることが必要と説明しています。2019年4月から全企業が対象です。
もちろん、実際の勤怠処理や働き方によって法的な判断は変わります。
ただ、「帳簿上は休み。でも実際には働く」という状態が当たり前になっているなら、それを単なる会社の慣習として流していいのか、一度考えた方がいいでしょう。
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厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」
厚生労働省では、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者について、毎年5日の年次有給休暇を確実に取得させることを使用者に求めています。
5.社員ごとの業務量に明らかな差がある
仕事量が全員まったく同じになる会社なんてありません。
能力も違えば、役割も違います。忙しい部署もあれば比較的余裕のある部署もあるでしょう。
ただし、問題なのはその差が固定化している場合です。
仕事を任せやすい社員へ次々仕事が集中し、一方では明らかに余裕のある社員がいる。それでも会社が仕事量を見直さない。
すると、真面目で仕事ができる人ほど疲弊していきます。
俺はこれを「頑張っている人へのご褒美が、さらに仕事になる状態」だと思っています。
短期的には仕事が回るでしょう。でも長く続けば、できる社員から「もう無理だ」となります。
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おかしい会社と普通の会社は何が違うのか
俺自身、環境が変わってから強く感じるようになったのは、「普通の会社=何も問題がない会社」ではないということです。
普通の会社にも嫌な上司はいるし、忙しい時期もあります。ミスをすれば叱られるし、人間関係の合わない人もいる。
違うのは、問題が起きた後の対応です。
| おかしさが固定化した職場 | 比較的健全な職場 |
|---|---|
| 怒鳴って相手を動かす | 理由を説明して指導する |
| 権力者の機嫌を優先する | 仕事やルールを基準にする |
| ハラスメントをかばう | 問題があれば事実確認する |
| 休暇取得が形だけになる | 実際に休める体制を作る |
| できる社員へ仕事が集中する | 業務量を見て調整する |
これ、結構大事だわ。
問題が起きること自体より、会社が問題を修正できる組織なのかを見た方がいいと思っています。
なぜ「おかしい会社」にいると異常に気づけなくなるのか

同じ環境に毎日いると、人はどうしても慣れます。
最初は「なんで怒鳴るんだ?」と思っていたのに、そのうち「あの人は怒鳴る人だから」で終わる。最初はおかしいと思っていたルールも、「うちの会社では普通だから」と考えるようになる。
しかも周囲の社員も同じ価値観になっていれば、自分だけがおかしいような気持ちになります。

会社なんて、どこもこんなもんだろ
……本当にそうか?
だから俺は、自分の会社を判断するとき、社内だけを見ない方がいいと思っています。
友人の会社の話を聞く。他社の求人を見る。転職した人の話を聞く。厚生労働省の「しょくばらぼ」のような職場情報サイトで、企業の残業時間や有給休暇取得実績などを確認する方法もあります。
転職する必要はありません。
ただ、外を知らないまま「会社なんてこんなもの」と決めつけないことです。
あなたの会社は大丈夫?8つのチェックリスト
今の職場を一度、感情ではなく事実で見てみてください。
- 社内で怒鳴り声や罵声を頻繁に聞く
- 上司や社長の機嫌を見ながら仕事をしている
- 正式な役職とは別に逆らえない人物がいる
- ハラスメントを相談しても上層部がかばう
- 有給休暇が実際には取りにくい
- 特定の社員へ仕事が集中している
- 問題を指摘した社員の方が悪者にされる
- 「うちの会社では普通」がよく使われる
一つ当てはまっただけで、「今すぐ会社を辞めろ」と言うつもりはありません。
会社には一時的に忙しい時期もありますし、一人の問題社員だけで職場全体を判断するのも違うでしょう。
ただし、複数当てはまり、それが何年も改善されていないなら注意した方がいい。
その会社だけの常識を、世の中の常識だと思わない方がいいです。
会社がおかしいと感じたら、まず「辞める」より外を見る
「うち、かなり当てはまるな……」
そう思ったとしても、明日いきなり退職届を書く必要はありません。
まずは感情と事実を分けることです。
いつ、何があったのか。どんな指示だったのか。勤務時間はどうなっているのか。有給休暇は実際に取れているのか。業務量の偏りは一時的なのか、それともずっと続いているのか。
ハラスメントなど深刻な問題なら、記録を残すことも自分を守る材料になります。
そして、もう一つおすすめしたいのが「外を見ること」です。
転職サイトを見るだけでもいい。求人を調べるだけでもいい。同業他社の年収や働き方を調べてもいい。
転職活動をすることと、会社を辞めることは別です。
俺自身、外へ出てから初めて「前の会社では普通だったことが、別の会社では全然普通じゃない」と気づいたことがあります。
選択肢を持っているだけで、会社との距離感は変わります。
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まとめ|会社がおかしいと思える感覚まで失わないでほしい
長く会社員をやってきて、俺が一番怖いと思うようになったのは、嫌な上司がいることでも、忙しいことでもありません。
おかしい環境に慣れすぎて、おかしいと思えなくなることです。
怒鳴り声が普通になる。
ハラスメントをかばうのが普通になる。
有給なのに働くのが普通になる。
一部の社員だけが激務なのも普通になる。
それでも給料日は来るし、翌朝になればまた会社へ行く。そうやって何年も過ぎていきます。
だから、ときどき外から自分の会社を見てみてください。
そして、「この会社で働き続けることが、自分にとって本当にいいのか」を考えてみればいい。
すぐ辞めなくてもいいんです。
会社は人生を支える大切な場所ではあります。でも、会社そのものが人生ではありません。
最後にどんな働き方を選ぶのか。
それを決めるのは社長でも上司でもない。
あんた自身だでね。
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