残業とは?36協定の基本とブラック企業に多い残業の特徴

残業とは?36協定・月45時間とブラック企業の残業を解説 ブラック企業・おかしい会社
残業とは?36協定・月45時間とブラック企業の残業を解説

残業が少ない会社=ホワイト企業とは限りません。

求人票や転職面接で「平均残業は月10時間」「昔は残業が多かったけれど、今はほとんどありません」と聞けば、働きやすい会社に感じます。しかし、本当に確認したいのは、残業そのものが減ったのか、それとも残業申請だけが減ったのかです。

大切なのは残業時間の数字だけではありません。働いた時間が正しく記録され、必要な残業を普通に申請でき、その時間に応じた賃金が支払われているかです。

この記事では、残業の基本、36協定、月45時間の意味、2026年9月に変わった監督指導、固定残業代、サービス残業が生まれる構造、転職面接で残業の実態を確認する質問まで、会社員目線で分かりやすく解説します。

※この記事は2026年9月3日時点の公的情報を基にした一般的な解説です。勤務形態や職種、会社の制度によって扱いが異なる場合があります。個別の法的判断は労働基準監督署、労働局、弁護士などの専門窓口へ相談してください。

残業とは?まず知っておきたい基本

一般に「残業」と呼ばれるものには、会社が決めた勤務時間を超える残業と、労働基準法上の法定労働時間を超える残業があります。この違いを知らないと、残業代の明細を見ても正しいか判断しにくくなります。

所定労働時間と法定労働時間の違い

所定労働時間とは、雇用契約書や就業規則で会社が定めた勤務時間です。一方、法定労働時間は、労働基準法が定める労働時間の上限で、原則として1日8時間・週40時間です。

例えば、勤務時間が9時〜17時、休憩1時間の会社なら、所定労働時間は7時間です。この日に18時まで働いた場合は次のように考えます。

時間帯扱い賃金の考え方
9時〜17時(休憩1時間)所定労働時間7時間通常の賃金
17時〜18時所定時間外だが法定8時間以内通常の1時間分の賃金。会社規定で割増される場合あり
18時以降1日8時間を超える法定時間外労働原則25%以上の割増賃金

17時を過ぎれば会社の定時後なので、日常会話では残業です。ただし労働基準法上の25%以上の割増が必要になるのは、原則として実労働時間が1日8時間または週40時間を超えた部分です。

1日8時間・週40時間が原則

労働基準法では、使用者は原則として労働者を1日8時間、週40時間を超えて働かせてはならないと定めています。休憩や休日についてもルールがあります。

ただし、変形労働時間制やフレックスタイム制、一定の小規模事業場における週44時間の特例など、別の計算方法・例外があります。自分の会社でどの制度が採用されているかは、就業規則や労働条件通知書で確認しましょう。

参考:労働時間・休日(厚生労働省)

36協定とは?

会社が法定労働時間を超える時間外労働や法定休日の労働をさせるには、原則として労使間で協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。労働基準法第36条に基づくため「36(サブロク)協定」と呼ばれます。

36協定を届け出れば、何時間でも残業させられるわけではありません。協定で定めた範囲と法律上の上限を守る必要があり、働かせた時間に応じた割増賃金の支払いも別に必要です。

なお、36協定が未締結・未届でも、実際に法定時間外労働をさせた事実がなくなるわけではなく、会社の割増賃金の支払義務が消えるわけでもありません。

残業は月45時間・年360時間が原則

一般的な労働者の時間外労働は、原則として月45時間・年360時間が上限です。これは大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から法律による上限規制として施行されています。

月45時間とは1日どのくらい?

月20日勤務と仮定すると、計算は次のとおりです。

45時間 ÷ 20日 = 1日平均2時間15分

毎日同じだけ残業するとは限りませんが、月45時間は「少しだけ」の残業ではありません。1日8時間勤務の会社で毎日2時間15分残業すれば、1日の実労働は約10時間15分になります。通勤や休憩まで含めれば、生活への負担はさらに大きくなります。

特別条項付き36協定なら45時間を超えることもある

通常予見できない業務量の大幅な増加など、臨時的な特別の事情があり、労使が合意して特別条項付き36協定を締結・届出している場合は、月45時間を超える時間外労働が認められることがあります。

ただし、一般的な労働者には次の上限があります。

  • 時間外労働は年720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計は単月100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計は2〜6か月平均のすべてで月80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えられるのは年6か月まで

「繁忙期だから」「人手不足だから」と毎月のように45時間を超えてよい制度ではありません。また、36協定で定めた上限が法定上限より低ければ、会社はその協定の範囲も守る必要があります。

建設業、自動車運転業務、医師、研究開発業務などには異なる規制や適用除外があります。この記事では一般的な会社員のルールを扱っています。

参考:時間外労働の上限規制に関する厚生労働省Q&A

月45時間と月60時間の違い

月45時間と月60時間は、意味がまったく違います。

基準意味誤解しやすい点
月45時間36協定における時間外労働の原則的上限特別条項があれば一定条件の下で超える場合がある
月60時間1か月の法定時間外労働について割増賃金率が50%以上になる境目45時間を超えた時点で50%になるわけではない

月45時間は労働時間の上限に関する基準、月60時間は割増賃金率に関する基準です。なお、月60時間超の50%以上という割増率は、2023年4月から中小企業にも適用されています。

2026年9月から残業45時間の何が変わった?

結論から言うと、2026年9月1日に月45時間の上限規制が撤廃されたわけではありません。変わったのは、労働基準監督署による監督指導の運用です。

変わっていないもの

  • 時間外労働の原則的上限は月45時間・年360時間
  • 特別条項にも年720時間、単月100時間未満などの上限がある
  • 月45時間を超えられるのは、一般的な労働者では年6か月まで
  • 36協定の範囲を超えて自由に残業できるわけではない
  • 会社には労働時間の適正把握と割増賃金の支払いが求められる

2026年9月から変わったもの

厚生労働省は2026年8月19日、労働基準監督署が時間外・休日労働の時間数だけに着目し、1か月45時間以内への削減を求めてきた一律の指導を見直すと公表しました。

見直し後は、各事業場が36協定で定める健康・福祉確保措置の実施状況を重点的に確認し、事業場の実態や過重労働による健康障害の恐れなどを踏まえて、必要な指導を行う運用です。

2026年9月1日の厚生労働大臣会見でも、上限規制の遵守は従来どおり徹底し、今回の見直しは上限規制そのものを変更するものではないと説明されています。

2026年9月以降も変わらない2026年9月から見直された
月45時間・年360時間という原則的上限時間数だけを見て一律に45時間以内への削減を求める指導
特別条項の法定上限健康・福祉確保措置や事業場の実態をより重視する確認・指導
過重労働への是正指導適法な時間外労働に対する指導の進め方

「残業が月45時間までに緩和された」「45時間を超えて自由に働けるようになった」という理解は誤りです。

参考:時間外労働等に係る相談・支援及び監督指導を見直します(厚生労働省)

参考:2026年9月1日 厚生労働大臣会見

残業代はいくら支払われる?

法定時間外労働、深夜労働、法定休日労働には、原則として次の割増率が適用されます。

労働の種類法定の割増率
法定時間外労働25%以上
深夜労働(22時〜翌5時)25%以上
法定休日労働35%以上
1か月60時間を超える法定時間外労働50%以上

条件が重なる場合は割増率が加算されます。例えば法定時間外労働が深夜帯に及べば50%以上、月60時間を超えた法定時間外労働が深夜帯に及べば75%以上が目安です。

ここでいう休日労働は、単に土日に出勤したという意味ではなく、週1日または4週4日の「法定休日」に働いた場合です。週休2日制のもう1日の休日は法定外休日となり、週40時間を超えた部分などが時間外労働として扱われます。

参考:時間外・休日労働と割増賃金(厚生労働省)

固定残業代とは?みなし残業との違い

固定残業代とは、一定時間分の時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増賃金を、あらかじめ定額で支払う仕組みです。「定額残業手当」や俗に「みなし残業代」と呼ばれることもあります。

固定残業代を採用する場合は、通常の賃金部分と固定残業代部分を区別できることが重要です。求人情報では、固定残業代の計算方法、固定残業代を除いた基本給、設定時間を超えた分を追加で支払うことなどの明示が求められます。

そして最も大切なのは、固定残業代を払っていれば何時間働かせても追加の残業代が不要になるわけではないことです。実際の割増賃金が固定残業代を上回った場合、会社は原則として差額を支払う必要があります。

参考:固定残業代に関する厚生労働省Q&A

「みなし残業」と「みなし労働時間制」は別物

言葉が似ていますが、次の3つは区別して考えましょう。

用語意味
固定残業代一定時間分の割増賃金を定額で支払う賃金制度
みなし残業固定残業代を指して一般に使われることがある俗称
みなし労働時間制実労働時間ではなく、一定時間働いたものとみなす労働時間計算の制度

法律上のみなし労働時間制には、事業場外みなし労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制があります。適用には対象業務や手続きなどの要件があり、単に会社が「営業職だからみなし」「裁量があるから残業代なし」と言うだけで当然に適用できるものではありません。

自分の会社の残業ルールを確認しよう

自分の残業代が正しいか確認するときは、給与明細だけでなく、契約上の時間、勤怠記録、実際に働いた時間を並べて見ます。

雇用契約書や給与明細と勤怠記録を確認する会社員
雇用契約書や給与明細と勤怠記録を確認する会社員

残業ルール確認チェックリスト

  • 雇用契約書・労働条件通知書に始業、終業、休憩時間が記載されている
  • 1日と1週間の所定労働時間が分かる
  • 就業規則で残業、休日、勤怠の扱いを確認した
  • 変形労働時間制やフレックスタイム制の有無を確認した
  • 残業が事前申請か事後申請か分かる
  • 急な残業が必要になった場合の申請方法が明確である
  • 給与明細に時間外、深夜、休日労働の時間や手当が反映されている
  • 固定残業代の金額と対象時間数が分かる
  • 固定時間を超えた分の精算方法が分かる
  • 勤怠上の始業・終業時刻と実際の勤務時間が一致している
  • PCの使用記録や入退館記録と自己申告に大きなずれがない
  • 休日のメール対応や持ち帰り仕事も必要に応じて記録されている

厚生労働省のガイドラインでは、使用者は労働日ごとの始業・終業時刻を確認・記録し、原則として現認またはタイムカード、ICカード、PC使用時間などの客観的記録を基礎に把握することが示されています。自己申告制でも、適正な申告を妨げる目的で時間外労働の上限を設けるような運用は適切ではありません。

参考:労働時間の適正な把握方法(厚生労働省)

残業が少ない会社=ホワイト企業とは限らない

ここからが、20年以上会社員として働き、ブラック企業も経験してきた私が最も伝えたい部分です。

ブラック企業が「サービス残業をしろ」と直接命令するとは限りません。もっと分かりにくい形で、申請だけが消えていくことがあります。

残業申請すると怒られる会社

残業代を支払いたくない職場では、社員が残業申請をすると、上司から次のように強く責められるケースがあります。

「なんで残業するんだ」

「時間内に終わらせろ」

「そんな残業は認めない」

社員側は簡単に反論できません。何度も怒られれば、「残業をしない」のではなく「残業を申請しない」という選択をするようになります。

ところが、申請を認めなくても業務量は減りません。人員も納期も仕事の進め方も同じなら、定時後も仕事を続けるしかない社員が出てきます。

残業申請を怒られて申請しなくなりサービス残業が生まれる流れ
残業申請を怒られて申請しなくなりサービス残業が生まれる流れ

業務量が多い

定時までに終わらない

残業申請をする

上司に怒られる

次から申請しなくなる

記録上の残業時間は減る

仕事は残る

サービス残業が成立する

この構造では、残業時間の数字だけを見れば「改善」に見えます。しかし実際に減ったのは労働時間ではなく、記録された時間だけです。

上層部もサービス残業を知らないことがある

さらに厄介なのは、上層部がサービス残業を直接命令しておらず、実態を本当に知らないケースです。

管理職が定時頃に帰宅していれば、その後に社員が何時間働いているかを目で見ることはできません。経営側が確認するのは勤怠システム、残業申請、月平均残業時間などの数字です。

社員が申請しなくなれば、数字上の残業は減ります。その数字を見た上層部が「働き方改革で残業が減った」と認識し、採用担当者も面接で「昔は多かったけれど、今はほとんど残業がありません」と説明することがあります。

もちろん、本当に業務改善で残業を減らした会社もあります。「残業が少ない」と説明する会社が嘘をついていると決めつけるべきではありません。ただし、その数字が実労働時間を正しく表しているかは別の問題です。

月45時間がサービス残業を生むように見えるケース

月45時間という上限は、長時間労働を抑えるための重要なルールです。問題は制度ではなく、会社が業務量を減らさず、数字だけを45時間以内に収めようとする運用です。

例えば、実際には65時間の残業が必要な業務量なのに、会社が「45時間を超えるな」と指示するだけだったらどうなるでしょうか。

実態勤怠上の数字
実際に必要だった残業65時間
申請できた残業45時間
記録から消えた労働20時間

これは「残業を20時間削減した」のではなく、業務量が変わらないまま20時間が記録から消えただけです。

厚生労働省のガイドラインでも、自己申告と入退場記録やPC使用時間などに著しい差がある場合は、実態調査と必要な補正が求められています。会社が見るべきなのは申請上の数字だけではなく、実際に人が働いている時間です。

ブラック企業に多い残業の特徴

次の項目が一つ当てはまるだけで、直ちにブラック企業とは断定できません。繁忙期の一時的な対応や、適正な事前申請制度もあります。ただし、複数の項目が日常化し、実労働と賃金が合っていないなら注意が必要です。

  • 残業申請をすると怒られる
  • 残業の必要性を毎回過度に追及される
  • 急な残業でも事前申請以外は一切認めない
  • 業務量や人員を変えず、残業だけを禁止する
  • 勤怠を打刻した後も仕事を続ける
  • PCを閉じた後、スマホや紙資料で仕事をする
  • 資料作成や事務処理を自宅へ持ち帰る
  • 休日のメールやチャット対応が事実上必須になっている
  • 会社に必要な仕事でも「自主的にやった」と処理される
  • 残業を申請すると能力不足扱いされる
  • 残業申請が人事評価へ影響しそうで申請できない
  • 固定残業代を理由に超過分が支払われない
  • 役職が付いただけで一律に残業代の対象外にされる
  • 勤怠上の退勤時刻と実際の退勤時刻がいつも違う

なお、法律上の「管理監督者」は役職名だけで決まるものではなく、職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇などの実態から判断されます。課長や店長という肩書だけで、当然に時間外・休日労働の割増賃金が不要になるわけではありません。管理監督者に該当する場合でも、深夜割増は別に必要です。

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転職面接で残業の実態を確認する質問

「残業は月何時間ですか?」だけでは不十分です。平均値には繁忙期と閑散期、部署差、時短勤務者などが混ざることがあり、何より申請された時間しか反映されていない可能性があります。

知りたいのは平均残業時間に加えて、実際の退社時刻、繁忙期、申請方法、勤怠管理、固定残業代の運用です。

転職面接で実際の退社時間や残業申請について確認する応募者
転職面接で実際の退社時間や残業申請について確認する応募者

面接で使える自然な質問

確認したいこと自然な聞き方
通常期・繁忙期「働き方のイメージを持っておきたいのですが、通常期と繁忙期では、皆さん何時頃に退社されることが多いでしょうか?」
配属部署の実態「会社全体の平均に加えて、配属予定部署の残業時間も教えていただけますか?」
残業申請「急な対応で残業が必要になった場合、どのような流れで申請しますか?」
勤怠管理「出退勤はPCログ、ICカード、勤怠システムなど、どの方法で管理されていますか?」
固定残業代「固定残業代は何時間分で、超えた場合はどのように精算されますか?」
45時間超の運用「繁忙期に月45時間を超える可能性がある場合、人員調整や業務配分はどのように行っていますか?」

最初から質問を全部並べる必要はありません。まず退社時刻と繁忙期を聞き、回答に応じて申請方法や固定残業代を確認すれば、尋問のような印象になりにくいでしょう。

面接官の回答から見る注意ポイント

回答の数字だけでなく、説明の仕方も見てください。

  • 質問した瞬間に態度が変わる
  • 平均時間は答えるが、配属部署の退社時刻は答えない
  • 「みんな自主的にやっています」と説明する
  • 「うちに残業という考え方はありません」と話をそらす
  • 「若いうちは多少頑張らないと」と精神論になる
  • 「残業申請は基本的に認めていない」と言う
  • 「45時間を絶対に超えません」と言うだけで、業務量や勤怠管理の説明がない
  • 固定残業時間を超えた場合の精算方法を説明できない

これらはブラック企業と断定する証拠ではなく、追加確認が必要なサインです。平均残業時間、実際の退社時刻、申請方法の3つが矛盾していないかを見ると、職場の実態を想像しやすくなります。

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サービス残業が疑われたら確認したいこと

不安を感じたら、いきなり会社と対立する前に、まず自分の労働条件と記録を整理しましょう。

  1. 雇用契約書・労働条件通知書で所定労働時間と固定残業代を確認する
  2. 就業規則で残業申請、休日、勤怠のルールを確認する
  3. 給与明細で時間外・深夜・休日手当を確認する
  4. 勤怠記録と実際の始業・終業時刻を日ごとに照合する
  5. 手帳、業務メールの送信時刻、PCログ、入退館記録など、実態が分かる記録を残す
  6. 申請を拒否された日時、相手、理由、指示内容をメモする
  7. 社内の人事・コンプライアンス・相談窓口を利用する
  8. 改善しない、相談しにくい場合は外部窓口へ相談する

記録を残す際は、顧客情報や営業秘密を無断で持ち出さないよう注意してください。何をどのように保存すべきか迷う場合は、外部相談窓口や専門家に先に確認すると安全です。

賃金、労働時間などの法令違反が疑われる場合は労働基準監督署、どこへ相談すべきか分からない場合は総合労働相談コーナーを利用できます。平日夜間や土日祝は、厚生労働省委託の「労働条件相談ほっとライン」もあります。

会社の残業管理だけでなく、怒鳴り声、ハラスメント、休めない環境なども重なっているなら、職場全体の問題として判断する必要があります。

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まとめ|見るべきなのは残業時間より残業管理

残業がある会社だからブラック企業とは限りません。必要な残業が発生しても、実労働時間を正確に記録し、36協定と法律の範囲内で管理し、働いた分の賃金を適切に支払う会社はあります。

反対に、残業が少ない会社だからホワイト企業とも限りません。残業申請をしにくくし、業務量を変えず、記録上の数字だけを減らしている会社もあり得ます。

求人票や面接の「平均残業月○時間」を見るときは、次の3点まで確認してください。

  • その数字は実際の労働時間と一致しているか
  • 必要な残業を普通に申請できるか
  • 働いた時間に応じた賃金が支払われているか

見るべきなのは残業時間の数字だけではなく、その数字がどのように作られているかです。自分の会社に違和感があるなら、まず労働条件、勤怠、給与明細を照合するところから始めてください。

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FAQ

残業は必ず月45時間までですか?

一般的な労働者の時間外労働は原則として月45時間・年360時間です。ただし、臨時的な特別の事情があり、特別条項付き36協定を適切に締結・届出している場合は、法定上限の範囲で45時間を超える月が認められることがあります。建設業、自動車運転業務、医師などには異なる規制があります。

2026年9月から残業45時間のルールは変わりましたか?

法律上の月45時間・年360時間という原則的上限は変わっていません。変わったのは、時間数だけに着目して一律に45時間以内への削減を求めていた労働基準監督署の指導運用です。2026年9月以降は、36協定上の健康・福祉確保措置や事業場の実態をより重視して確認・指導します。

固定残業代なら追加の残業代は出ませんか?

固定残業代の対象時間・金額を超える割増賃金が発生した場合は、原則として差額の支払いが必要です。「固定残業代があるから追加支給は一切ない」という説明だけで判断せず、対象時間数、金額、超過分の精算方法を確認してください。

残業申請を拒否されたら残業代は出ないのですか?

申請が承認されなかったという理由だけで、実際に使用者の指揮命令下で行った労働が消えるわけではありません。ただし、個別事案では指示の有無や会社の認識、業務の必要性などが問題になります。実際の始業・終業時刻や指示内容を記録し、労働基準監督署などへ相談してください。

面接で残業について質問しても大丈夫ですか?

働き方や労働条件を確認するための自然な質問です。「残業はありますか」だけでなく、通常期と繁忙期の退社時刻、配属部署の実態、申請方法、固定残業代の超過精算を丁寧に聞くと、入社後の働き方を具体的に想像できます。

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